2006-01-01から1年間の記事一覧

"Happy Holidays!"の彼方に

2004年度に書いたレポート、だろう。旬だから載せてみた。 "Happy Holidays!" これが、昨年(2004)末にアメリカ合衆国大統領であるG.W.ブッシュが口にした国民への挨拶だった。そう、合衆国憲法修正第一条で定められた政教分離の原則と信教の自由を重んじる…

サンタケロース

薬屋のお馴染みのケロくん(本名は知らない)はとっても可愛く、頭部はないから見る度に目ん玉を撫でてやりたくなるが、社へ向かう道中の薬局にいるケロくんは今、無理矢理にサンタクロースにされていて、それがまた可愛い。前述の通り頭部はないので、例の…

第三章 ノマドの世界

第一節 国家と「アイデンティティ・パラノイア」 「国家」(‥‥)――それは金毛獣のある一群のことであり、戦闘的体制と組織力とをもって、数の上では恐らく非常に優勢であるが、しかしまだ形を成さず、まだ定住していない住民の上に逡(ため)らうことなくそ…

第二章 「六本木の赤ひげ」

第一節 インターナショナル・クリニック 東京は六本木。様々な国籍の人びとが行き交い、世界各国の人びとが同胞人とたむろすることのできる空間があちこちに存在する。また、多くの国の大使館や、お客の大半を外国人が占めるという国際的なホテルも数多く立…

第一章 ぽんちゃんを巡って

第一節 無国籍児、ぽんちゃん 二〇〇五年十月、新聞に「ぼくは誰?『何とか国籍を』関係者苦慮 国籍不明の子、保護から半年」という見出しが付いた記事が、黒い大きな瞳をした男の子の写真と共に掲載された。三月中旬、栃木県小山市のある日本人男性が、以前…

卒論;無国籍者、現代のノマドとしての

卒論。註をはてな掲載用の形式にするのが面倒くさいので、文献リストを一番最後につけます。

公開セミナー:「ミシェル・フーコー使用法 Michel Foucault, mode d'emploi」

慶應義塾大学教養研究センター主催公開セミナー「ミシェル・フーコー使用法 Michel Foucault, mode d'emploi」 日時:2006年6月20日(火)17:00〜19:00 会場:慶應義塾大学日吉キャンパス 来往舎 シンポジウムスペース(1F) ※仏語通訳つき 協力:在日フラ…

ミルトン・エリクソンMilton Erickson3

授業がとっても軽快に笑いを生じさせながら進むから、凄く気持ちが良い。『私の声はあなたとともに ミルトン・エリクソンいやしのストーリー』p.129〜に載ってるダイエット治療の例について、妄想たくましくいくよ。ただし、一旦以下の症例を読み始めた人は…

戦乱のイラクを垣間見る

去年(2005年)に書き始めた文章。仕上がっていないのが一杯あって、むずむずするなぁ。 戦後60年。奇しくも衆議院選挙で、「普通の軍隊」を持とうという方針の自民党が圧勝したこの年から、一体あと何年の間、「戦後」の「戦」が「第二次大戦」を意味してい…

『大人が作る“子どものための”遊び場』

http://www.fujitv.co.jp/nonfix/library/2005/447.html 「最近の子ども」は、創造性を失っている。遊び相手と言えば、生身の人間でなくて機械。そんな子どもたちに、自由に好きに遊べる空間を用意しようと奮闘する「大人」がいる。例えば、フリーパークとい…

ミルトン・エリクソンMilton Erickson2

最近、やらねばならないこと全般に手を付ける気力がなく、エリクソンの本を読み進めている。彼の治療のやり方はもうあっぱれとしか言い様がないし、「すっげぇ」と息をもらしたり爆笑したりしながら事例に触れている。中でも驚愕してしまうのが、観察眼の鋭…

ミルトン・エリクソンMilton Erickson

心理療法家、ミルトン・エリクソンMilton Erickson(アイデンティティ理論のErik Eriksonではない)の治療事例集、『私の声はあなたとともに』を読む授業に潜ることが許された! 初回の先生の解説を自分の言葉を加えながら少しまとめておく。私の声はあなた…

ジャン=リュック・ナンシー「身体をめぐる省察」

本日、早稲田大学文学部フランス文学専修室主催の講演会、ジャン=リュック・ナンシー氏「身体をめぐる省察」に行って来た。前日の日仏学院(飯田橋)での講演は満員で、通訳を聴く機械ももらえず、留学したてのころを思い浮かべながら、知りもしないフラン…

ヤモリ=家守? 

本日の午後三時過ぎ、バイトから帰宅すると、玄関先にフタを閉じず、荷物がはみだしたままだらしなく放置してあったスーツケースの縁を、茶色の細長い物体がクネチョロと動くのが見えた。「ぎゃー、ぎゃー、ぎゃー」と三回叫び、思わず外へ飛び出す。玄関の…

振り返るシリーズ vol.2〜ニーチェ

卒論で引用しようと思ってとっておいたメモ。 ニーチェ(1844-1900)の文章にみる、「国家」や「近代」。いやはや、何時読んでもニーチェの鋭さやパワーには圧倒されてしまう。 戦後のフランスには、信じられない程多くの素晴らしい哲学者が誕生した。そして…

驚きの自販機

缶ジュースの自動販売機。最近、大通りをちょっとそれた住宅街に、唐突にあったりする。商品は、正規の値段より10円から20円程安い。極たまに利用するのだが、今日利用した自販は酷かった。酷すぎた。この自販機、世の中に、購入したい商品の値段以上のお金…

大学生活を振り返る vol.1〜フーコー

テストの課題:フーコーが分析した「一望監視装置」(パノプティコン)とその効果としての「近代的主体」について説明しなはれ。 テスト対策用に授業の内容をまとめた文章に加筆。参考文献はミシェル・フーコー『監獄の誕生』。2年前、ゼミに入るために、朦…

成瀬巳喜男監督『乱れる』〜粗筋

成瀬巳喜男監督、『乱れる』(1964年)。乱れる [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2005/07/22メディア: DVD購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (45件) を見る凄い作品。震えと痛みが、胸から喉の辺りに波のように打ち寄せたり引いたりする。自…

『お茶漬の味』レポート

「芸術学」の課題で、小津安二郎監督『お茶漬の味』(1952年、出演:佐分利信、木暮実千代ほか)のとあるシーンを論じたもの。「単位さえとれりゃどうでもいいわ」というのと、「この先生からはSが欲しい」という、二つのタイプの授業がある。このレポートは…

「見る」こと、「出会う」こと

■空振りする援助 絶対にやってはならないし、実現することもないし、提案するだけで後ろから誰かに刺されることになるかもしれないが、一度だけやってみたい実験がある。国際規模の食糧支援を三日ほど、完全にストップさせるのだ。結果の予想;殆ど何も変わ…

レオナルド・ダ・ヴィンチ

■始めに+お願い 講演会、若桑みどり「レオナルド・ダ・ヴィンチ 真の謎を解く」に行って参った。若桑氏の著作は一つも読んだことがないけれど、面白そうな本をたくさん書いていらっしゃって、何時の間にか名前だけは知っている。「万、万、万が一若桑先生を…