iPod購入の前に、、、

 iPod、大人気である。私もiPod miniを愛用している。確かに、素晴らしい機器だ。だが思っていた通りに全てが進まないというのも事実である。iPodに関しては、何かと良い面のみが強調されているように思うので、少し逆のことをやってみてもいいのではないかと思い、iPodに付きまとう夢を少し打ち砕いて見ようと思う。
 まず、電池。iPod miniは8時間連続再生できるということだが、ゲームをしたり、バックライトをつけたりすると、結局一日が限界である。学校の行き帰りと図書館での勉強時間など、せいぜい4、5時間くらいにしかなっていないはずだが、私は結局、毎晩iPod miniを充電している。だが最近、再生時間が飛躍的にのびるという、アメリカのある会社が作ったバッテリーを知った。さっそくiPodユーザーの知り合いに伝えたところ、彼はそれを既に知っており、注文する予定でいるという。そして、自分が注文するついでに私の分も購入しておいてくれることになった。何とも有り難い話だ。届くのが待ち遠しい。
 電池の問題はいずれこの不思議なバッテリーで解消するとしても、iPodに関して理解しておく点がある。それは、iPodのコンセプトである。iPodという製品のコンセプトとは、iPodはあくまでも、自分の、正に“パーソナル”コンピュータにあるデータを持ち歩くための機器であるということだ。音楽データに関して言えば、自分のパソコンのiTunesをまるごと入れて持ち歩くというのがiPodのコンセプトである。これは何を意味するか。
 iPodWindowsMac両方で使えるかのように思われがちだが、一度Macで設定するとWindowsにつなげても使えないのだ。逆はしばらくの間可能であった。発売当初に手に入れた私のiPod miniは、最初友人によって、Windowsで初期設定が行われた。すると我が家のMacでもその友人宅のWindowsでも、双方のiTunesからデータを取り込むことが出来た。だが、その後しばらくして私のMaciTunesを更新してみたら、初期設定をWindowsで行った私のiPod miniは拒絶されてしまった。
 結局、データを全て破棄してから、iPod miniの初期設定をし直す羽目になってしまった。そしてiPodトラブルシューティングのサイトを見ると、「データを破棄しますが、大丈夫。だってあなたのデータは全てiTunesにあるんですから」といようなことが書かれていて、やっと気付いた。iPodは自分のデータを持ち運ぶことはできても、史上最強の音楽メディアにはなってくれないのだと。
 iPod miniに音楽を入れたり消したり、また新たに入れたりということはいくらでもできる。だが消すことしかできない、つまり、自分のiTunesiPod miniの音楽を入れることはできないのだ。だから、一度iPod miniに入れた曲もiTunesから消してはならない。常にiTunesiPod miniがシンクロするようにしておかなくてはならないのだ。
 他社の同種の機器がどうなっているのかは知らないが、音楽データの著作権保護のことを考えれば、この程度のことは予測しておくべきだったのかもしれない。だがいずれにせよ、今となってはiPod miniを手放すことなど考えられもしないし、他社の製品を羨んだことなど一度もない。むしろ、他社がiPodに追従しようとすればする程、Macがどれだけ優れた製品開発能力を持っているかがより明らかになると言ってもよいのではないだろうか。
 これからは、iPod のコンセプトをしっかり把握した上で、CD-Rなどのメディアとのおつきあいも続けながら、iPodが可能にする快適な音楽ライフを楽しんでいくことにしたい。